白昼観測記
[PR]
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
||
浸り落ちる幸福
「この先親しい人がみんな死んで、一人になるから、自分で生きていかなければならない」
私よりも小さい貴女が、前々からそれが当然だった様にお先真っ暗だとそう言うから 「じゃあ私がいる」と答えた私に、賢い貴女が複雑な顔をするから 考えの至らない私もまた、ありもしない襟を正す。 現実があまりに鈍い色をしていて、 うっかりと下手に現状把握すると気持ちが悪くなる。 必要なものが思い出せない。 何がしたかった? 夢という聴くもおぞましい 黄ばんだ、且つ他に無い記号において何を優先したかった? 私じゃない第三者が書き記すビジョンは、どんな効力を持つのだろう。 何処まで本気で、いつまで続くのか。 私の首振り一つで変わるものもある事は知っているけど。 順応する事で回る今日と、同時に見えなくなる私の視界。 あの人は、もう次を考えろと諭す。 思案する間も無く足の裏まですり減らす。 目の前にある些事を片っ端から裁断して捨てていく。 嬉しいのも哀しいのも、敷き詰めると余韻を残せない事を知る。 でもそれでも私は食べて眠らなきゃ動けない。 今日はスコールに見舞われ、 夜には異様に低空に浮かぶ雲が、 凄絶な速さで流されていた。 本当はもっと、空や月を見ていたい。 やっと思い出せた。 そう、やっと思い出し始めた。 そしてまた忘れなければならない。 私は浸ることが好きだった。 PR
|
||
|
||
- トラックバックURLはこちら